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2011.06.13 *Mon

思い出は明日を生きる糧。/キャラメルボックス ハーフタイムシアター

またまたお久しぶりの更新です(仕様。

楽しみにしていた、キャラメルボックスのハーフタイムシアター、『水平線の歩き方』『ヒア・カムズ・ザ・サン』の東京公演がついに始まりまして、早速観に行ってきました!…だったんですが、観劇レポを書く余裕がなくズルズルと日にちが過ぎてしまって、気づけば東京公演も残り1週間。早く書いて少しでも宣伝に貢献しようと思ってたのに!w

というわけで、先に言いたいことを言っておきます!
今週の公演も、日曜の千秋楽以外は、まだまだお席に余裕があるようです。絶対観に行って損はない作品です。というか、観に行かないと損だと思います!笑
私もできる限り伝わるように、心をこめて、ここで文章にしたいと思うので(公演中なので今回はネタバレなしで)、少しでも興味を持たれた方、お時間のある方、ぜひ一度、池袋サンシャイン劇場へ行ってみてください。


さて。
60分の短編演劇2作品を交互に上演する、というスタイルのハーフタイムシアター。私がキャラメルボックスを観劇するようになって、ちょうど1年。キャラメルらしいハイテンポな芝居にも慣れ、スピード感をより楽しめるようになってきたとはいえ、ハーフタイムシアターを観るのは初めてだったので、観劇前は正直、さすがにたった60分じゃあ、まともにやったら描ききれないんじゃないの?薄っぺらくならざるを得ないんじゃないの?って思いが少しありました。
でも、全く違った。
たった60分間の中に、ダンスあり、笑いあり、そしてぎゅっと心が締め付けられる場面があり。短時間で気軽に観られる、という宣伝文句から想像されるものより、はるかに濃密な作品世界が、そこにはありました。ある意味、キャラメルボックスという劇団が築いてきた「キャラメルらしさ」と、それを確実に魅せるだけの底力が、一番よく分かるスタイルなのかもしれません。

そして根底には、普遍的で、シンプルで、だからこそ大切にしたいテーマが流れていて。2作品、まったく別のストーリーですが、どちらも「思い出」をテーマにしたお話。
思い出って、たいてい、時が過ぎれば過ぎるほど、美化されるものだと思うんですね。逆に言えば、思い出したくない記憶や思いは忘れ去ってしまう…と自分では思っているけれど、ほんとは忘れ去ってなんかいない。心の奥底に抑圧されて眠っているだけ。
だけど、実はそういう、思い出すのに少し痛みを伴うような記憶、心のどこかがチクッと痛むような思い出の中にこそ、明日を生きていく糧があるのかもしれない、と。
――人が生きていくのに必要なのは、食べ物と友達。そして、思い出なんじゃないかな。――
(パンフレットの言葉より)


キャラメルの良さは、それぞれのレベルで、それぞれの文脈で楽しめることだと思います。初めから難しいこと考えようとしなくていい。私も、開演前はとにかく「頭と心を真っ白に」して、観るようにしてます。それで、なんか雰囲気がいい♪とか、わ~ダンスすてき~!とか、この曲グッとくる…!とか、なんでも自分の心に素直に感じればいいと思う。ウケるー!と思ったら笑えばいいし(ナイスなギャグがふんだんに盛り込まれてますw)、すごい!と思ったら拍手すればいい。
だけど、それでも劇場からの帰り道、自分のこと・自分の周りのこと・周りにいる大切な人たちのことを、ふっと思い出したりして、そういう「私の文脈」で捉え直そうとしてる自分に気づく。そういう意味で、キャラメルボックスの舞台には、誰もが等身大の共感ができて、明日からの元気をもらえるんだと思うのです。


以下、作品ごとに。(ネタバレないように書いてるつもりですが、若干具体的な内容に関わることも含むので、NGな方は観劇後に読んでください!)



『ヒア・カムズ・ザ・サン』 -------------------------
■STORY (キャラメルボックスHPより転載)
真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。
彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。
強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やかに。
ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。
カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。
父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。
しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた……。


真也を演じる阿部丈二さんも、もちろん好演なのですが、岡内さん演じるカオルが美しい。ただ美人という意味ではなく、たたずまいが、涙が、本当に切なくて美しい。
そして、グリーンを基調とした舞台セットが綺麗。
そしてそして!エンディング曲には、皆さんにもよーく知られているアノ曲が…!!いやーズルいです、反則です、加藤さん(監督総指揮・音楽監督)(笑)。本当に、書きおろしなんじゃないか、ってくらいぴったりの曲(とくに歌詞)なのです。誤解を恐れずに言えば、このエンディング曲を聴きに行くつもりで足を運んでも、十分に価値があると思います。とりあえず、ス●ッツのファンの皆さんは絶対観に行っとくべき!笑


『水平線の歩き方』 -------------------------
■STORY (キャラメルボックスHPより転載)
幸一は35歳。社会人ラグビーの選手。
ある夜、自分のアパートに帰ると、部屋の中に女がいた。
どこかで見た顔。彼女はアサミと名乗った。
それは、幸一が小学6年の時に病気で亡くなった、母だった。
親子二人で過ごした日々が、幸一の脳裏に鮮やかに蘇る。
あの頃、母は大人に見えた。
が、今、目の前にいる母は、明らかに自分より年下だった……。


実は、水平線の方はもう3回も観に行っちゃいました(笑)。1階席前方、1階席後方、2階席と、それぞれ違う席で観られてよかったです。
観れば観るほど、心に響くものが大きくなる。感動でぞわっと鳥肌が立つシーンが増える(私はあんまり涙流さない代わりに?なんかすごく鳥肌が立つんですよね)。そしてどういうわけか、1回見たらネタ分かってるはずなのに、笑いも増える(笑)。

何といっても、幸一を演じる岡田達也さんの熱演が、とにかくすごい。あぁ、熱演ってこういうことを言うんだなぁ、って。ヒアに出演予定だった西川さんが急病のため、急遽ヒアの方にも出演されていて(しかもカオルの父という、台詞も多い重要な役で)、大変でないはずはないのです。周りの役者さんや劇団関係者の皆さんも、ブログやツイッターでしきりに達也さんの大変さや体を気遣う言葉をかけてる。
でも。すごく偉そうで冷たいのは承知の上で言わせてもらえば、「役者がいかに大変か」ってことと、私たち観客の側が感じる「芝居の出来」とは、本来的には関係のないことだと思うんです。もちろん応援したい!って気持ちはあるけど、なんかお情けみたいな気持ちで観に行くのは、プロの役者さんに対して失礼だとも思うから。
だから私は、あまりにも「僕こんなに大変だけど、こんなに頑張ってます!」ってのが前面に出ちゃってる演技は正直あまり得意ではないのだけど、達也さんの演じる幸一は全くそんなのじゃ、ない。2作品出っぱなしのしんどさとか、西川さんのこととか、「大好きな作品」とおっしゃってた思い入れとか、だからこそ達也さんのこの作品に懸ける思いはものすごく大きいはずで、でもそういう色んなものを全部ぐっと胸の奥に秘めて、「繊細で切実で心のこもった演技」というその一点に全てを昇華させている、そんな印象でした。ひそかに同郷なので、こんなに素晴らしい役者さんが鳥取出身だということを、心から誇りに思いました。

そしてダンスシーンが、曲も振りも大好き。「2階席で舞台が遠いなぁ…」って思ってるそこのアナタ、2階席から観るダンスシーンは必見です!1階席とは全然違ってみえるし、個人的には振り付けの意味がより伝わってくる感じがしました。ダンスシーンは、もちろん振りも、曲も、照明も、素敵なのだけど、何より一番、踊ってる役者さんの表情が印象的で。そんな、キャラメルらしいダンスになってると思います。


※※※以下、ネタバレ含みます。※※※

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2011.05.04 *Wed

軽く、業務連絡。

ゴールデンウィーク真っただ中ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私はというと、あんまり関係ない生活を送っております。

というわけで特にネタもないのですが(ぁ、あんまり放置すると容赦なく表示される広告欄撃退も兼ねて、わりとどうでもいいお知らせなど。

佑介騎手の成績やらコメントやらを記録するためのブログをひっそり開設しました。
 コチラ⇒ 【Notes for Yusuke Fujioka
大人の事情で認証制にしてます。passはG1で2着4回のあの仔の名前。(どうしても見たいけど分かんない!って人がもしいたら適当に連絡してちょ。)

もともと何らかの形で記録付けていきたいなぁという思いはずっとあり、実は去年の夏~秋あたりも個人的にノート付けたりはしてたんですが、なんだかんだ手間がかかるのでめんどくさくなって結局長続きせず;; たぶんそれなりのデータベースソフトとか入れれば一発なんでしょうが、別に馬券検討に有効活用するわけでもないし、あんまりお金はかけたくないし…。と、そんなわけで、さしあたりブログ上に記録していくのがいいんでは、と思い至った次第。このブログで書いていっても別によかったんですが、はてながシンプルで使い勝手が良さそうだったのと、淡々と記録だけ残していく方が見やすいかな、ということで。とりあえず先月から試運転的に更新中。飽きたらやめます(笑)。

一応、今のところは、
・週末の騎乗馬と簡単な展望(というほどの中身はないw)を毎週金曜更新
・前週の騎乗結果とコメントを毎週月曜更新
・開催代わりのタイミングで開催毎の成績まとめを更新
・その他、注目馬の成績もついでにメモ

基本的な目的というか主眼は、私が佑介の騎乗を継続的に「見る」ことと、騎乗意図みたいなものを把握しやすくすることなので、馬券検討とかに役立つものでは一切ありませんwし、特に見て面白いものでもありませんw;
本当はコース別成績くらい出したかったんですが、手集計は面倒すぎるので断念(笑)。個人的に、騎手はいい馬に乗れてナンボ、と思ってるので(この辺りが完全に佑介イズムに毒されてるw)、一応厩舎別の成績には注目してデータとってます。


とりあえず…

あんまり成績良くないのが続くとめげそうなので、がんばって活躍してくれ!!;;


2011.03.31 *Thu

表現するということ、伝えるということ。

昨年の春に出会って以来、キャラメルボックスの舞台を観るのも、今回の『夏への扉』で5作品目。すっかりハマってしまった感があるわけですが、じゃあ一体、キャラメルの何がそんなに面白くて、どうしてこんなに魅了されるのか、ってこと。

もちろん色んな要素があるし、私は演劇評論家でも何でもないのでw「これこそがキャラメルボックスの魅力だ!」みたいなことを評論するつもりもないんですが。
だた、少なくとも私がキャラメルに惹かれる理由の大きな一つは、誰にでも楽しめる、分かりやすいエンターテイメント、ってところなんだと思う。キャラメルの舞台は、役者の台詞も、演出も、舞台装置も、基本的に(抽象ではなく)具体的な表現ばかりだし、物語の主題もシンプルで普遍的なもの。だけど、それでいて決して安っぽくならず、「単なるフィクション」で終わってしまわない、メッセージ性を持ったエンターテイメントにまとめあげられていることが、何より凄い、と思うのです。


それって、実はとても難しいことだと思うから。
リアリティの伴わない、「友情って大切だよね」とか「勇気を持って生きよう」なんてのは陳腐なものでしかなく、観客の心に届くはずもない。かといって、私たちのリアル(現実)に寄り添い、忠実に描こうとすればするほど、複雑さは増すし、おそらく抽象的な表現しかできなくなる(私たちは実際、答えのない世界に生きているんだから、ね)。あるいは、ハッピーエンドなのはリアルじゃない!なんて言って、救いもカタルシスもない作品になってしまう、とか。それは、もはやエンターテイメントではない気がするし。(もちろん、作品を通して問題提起をして、解釈や答えを観客にゆだねる、という芸術があるのは分かるが、それはサテオキ。)
そう考えてみると、エンターテイメントに求められるのは、というか私がエンターテイメントに求めるのは、(リアルではなく)リアリティのあるフィクションであって、それを通じて、非日常の楽しみや何らかのメッセージを届けてくれること。それを、キャラメルボックスは確かに実現しているのだと思います。

例えば、キャラメルが「ライバル」だと言うディズニーランド。
すごく冷めた見方をすれば、大の大人が「夢の国」なんて言って、高いお金払って「おままごと」してるだけ、ですよね(言いすぎw)。だけど、その「おままごと」を、あれだけの規模で、しかも細部にまでこだわり抜き、気を配りつくして提供しているからこそ、子どもから大人まで多くの人に愛されるわけで。壮大なるフィクションが最高のエンターテイメントになっているのですよね。

キャラメルボックスも、同じだと思うのです。
ストーリーは、タイムスリップしたり、見えないはずのものが見えたり、全くもってリアルじゃない。しかもそれを映像などではなく、色んな制約のある舞台上で表現する。にもかかわらず、役者の演技力と丁寧で飽きさせない演出とによって作り込まれることで、そこには観る者に感情移入を許す、ある種のリアリティが生まれる。そうして、私たちが日常の心の緊張を解いて、物語に没頭できる下地ができ、だからこそ、陳腐になりがちなテーマも、ちゃんと大切なメッセージとして自然に心に染みわたる。


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エンターテイメントに限らず、「分かりやすさ」とか「平易であること」って、私はかなり大事だと思っています。

ツイッターで乙武洋匡さんをフォローしているんですが、彼のツイートはいつもシンプルで、分かりやすい。
彼のように色んなことを経験し、たくさん勉強されてる方であればなおさら、出てくる言葉は複雑だったり抽象的だったり、専門用語で難解になりがちなのが普通だと思うんですよ。(大学でのレポートなんかを考えてみても、勉強すればするほど、本音で書こうとすればするほど、説明しきれなくなるし、分かりやすい答えには収まらなくなる…というのはありがち。)
だけど、乙武さんは誰にでも分かる平易な言葉しか使わない。考えを、シンプルにまとめて発信する。だから、伝わる。その方が、人に伝わる、ということをきっとよく知っていらっしゃるから。

この「子どもから大人まで、誰にでも分かるように、伝える」ってことこそが、表現の本質なんじゃないかなぁ、みたいなことを思うわけです。
キャラメルボックスの舞台も、乙武さんの言葉も、単純なことを言っているのかもしれないけれど、それが薄っぺらくならずに、多くの人の心に響く。彼らの表現には、それぞれに「伝える力」がある。

「伝える力」を支えているのは、一つは技術的なこと。
キャラメルだったら、役者の(いわゆる)演技力とか、演出の巧さとか。乙武さんは、シンプルなツイートの中にも、言葉の選択に細心の注意払っているのをすごく感じるし、表現がとても丁寧。(彼は、『五体不満足』のベストセラー以降、散々マスコミに騒がれ、言ってもない言葉が独り歩きし…という状況を身をもって経験しているから余計に、なんだと思いますが。)

そして、「伝える力」のもう一つの中身は、彼らの誠実さと人間味、じゃないかな。
キャラメルの役者さんたちの演技は、いつも真っ直ぐで、全力。乙武さんのツイートには、普段の冗談や自虐ネタも含めて、自身の経験に基づく実感と人間らしい温度がある。
見る側が、常にそういう彼らの誠実さや人間味を感じているからこそ、ここぞの場面で彼らの表現は「伝える力」をもつんですね。



と、つらつら書いてきましたが、そんな私の文章にも「伝える力」、少しくらいあったでしょうか?(笑)



2011.03.30 *Wed

今だからこそ観てほしい舞台、の真実。/キャラメルボックス『夏への扉』

観に行ってきました、キャラメルボックス2011スプリングツアー『夏への扉』
もともといずれ行く予定で楽しみにしてたんですが、そんな時に震災があって…なんだかんだとしているうちに行くタイミングを逃してしまい、ようやく千秋楽前日の3/26(土)19:00に観劇@ルテアトル銀座。
またしても公演終了後に感想を書くという、非常に意味のないというか申し訳ない感じなんですが(汗)、ネタバレしまくりでいきたいと思います。



【ストーリー】(キャラメルボックスHPより転載)
1970年、ダニエル・デイビスは失意のどん底にいた。大学で機械工学を学んだダニエルは、親友と二人で会社を設立。ハイヤード・ガールと名付けたロボットの開発に成功した。が、婚約中の恋人と親友が仕組んだ罠に嵌められ、会社とロボットを奪われたのだ。ダニエルに残されたのは、飼い猫のピートだけ……。彼は裏切り者二人への復讐を誓うが、逆に捕らわれの身となり、コールドスリープの冷凍場に送られてしまう。そして、長い眠りから覚めた時、そこは30年後の、2000年だった!会社は?ロボットは?そして、愛猫ピートは?すべてを失ったダニエルは、起死回生の一手を打つ!

冒頭5分間の舞台動画が コチラ にアップされております(※いきなり音出ますので注意)。


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物語前半、主人公ダニエルは身の回りの大切なものをすべて失い、さらには30年後に飛ばされ…もはや一縷の望みさえ見えないような状況に置かれる。普通なら絶望してもおかしくないほどの、過酷な「冬」。それでも彼は決して諦めないし、あくまで前向きに進み続ける。可能性が少しでもあるならば、トライし続ける彼は、どこまでも真っ直ぐで、純粋で、勇敢だ(すべてを失ったところからのスタートゆえの、怖いもの知らず、というべきか)。
2000年に来てしまった彼は、一か八かタイムマシンに乗って、なんとか30年前へ戻り、自らの手であらゆるつじつまを合わせ、愛するリッキーと未来での再会を約束し、再びコールドスリープで30年後へ。そうしてついに、彼は長い長い「冬」を脱する「夏への扉」を開く――。

コールドスリープやらタイムマシンやら色んなロボットやらが次々登場し、ストーリーはSF中のSFなわけですが、そこから紡ぎだされるメッセージは、「どんな厳しい冬の中に居ても、数ある扉のうち、少なくともどれか1つは必ず夏に通じていると信じる」=最悪の状況下でも、諦めずに、強い心で、前を向いて歩み続けることの大切さ、なんですよね。
日本中が震災の大きすぎる被害の真っただ中にいる今、このメッセージはいっそう重く強く深く響きます。観る者がこれほど、明日に向かう勇気をもらえる作品は、ほかにないだろうと思えるほどに。私自身、震災以降知らず知らずのうちに暗い顔や怖い顔にばかりなっていたのが、終演後には自然に口角が上がっている自分に気づき、温かい気持ちを家まで持ち帰りました。


昨日のエントリで、いつも通りの有難み、みたいなことを書いたわけですが、驚くべきことにこの状況下でキャラメルボックスは「いつも以上」を用意してくれていた気がします。
開演前の加藤さん(製作総指揮)の前説。地震が起きた際の対応等について、過不足ない的確な説明と指示で、お客さんの不安を取り除き安心を与えながら、合間のユーモアでお客さんの心の緊張を解きほぐし、スッと開演に入っていける完璧なウォーミングアップ。もうね、加藤さん前説の鬼(w。だって、これ聞いた時点で、あーやっぱ観に来てよかったって真剣に思いましたから(笑)開演前なのに(笑)。
そして、終演後のカーテンコール。普段なら2回、3回と続くんですが、節電のため今回は1回きり。その代わりに、役者の皆さんが客席の通路を通って手を振りながら退場、というアイデア。なるほど、いつもとは違うけど、なんだか嬉しい。
ロビーの物販コーナーや募金の呼びかけには、出演していない俳優さん方があちこちに。

「いつも通り」に、来場したお客さんを全力で楽しませるということ。一方で、この非常事態の中で、余震の恐れや節電などに出来る限り配慮しながら、だけど決してお客さんに窮屈な思いや我慢を強いることなく公演を行うこと。その二つを、培われた経験と工夫の積み重ねによって、見事に両立させているプロ集団だなぁと。さすが、の一言です。

それにしてもキャラメルボックスは、上演中だけ、舞台上だけ、ではなく、開演前・終演後のロビーなども含めて、劇場全体をキャラメルボックスの空気(それは、温かみのある非日常な空間)にするのが本当に上手いなぁと感じます。その雰囲気を作り出す一翼を担っているのは、たぶんお客さんでもあるのですが、それにつけても結成以来25年間積み上げてきた、この劇団の底力みたいなものを(こんな時だから余計に)感じるのでありました。


--------------
以下、雑多な感想を箇条書きにて。

・畑中さん(ダニエル)ホント出ずっぱり。すごい。
・筒井さん演じる猫のピートがストーリーテラーなわけですが、これがよかった!擬人化の猫にも大して違和感なく馴染めたし、安定感あるし、存在感もあるし(笑)、個人的には今回一番好きでした。最初から最後まで、会う人会う人に「図体でかい猫」だの「その熊、、じゃない猫」だのイジられるというw

・原作が有名な小説なので、ストーリーを知って観ている人も多いのだと思いますが、原作知らないままで観ると、頭の回転の速くない(私みたいな)人は、物語の展開についていくのが正直けっこう苦しい感もあるかも。ただ、このスピード感って、1つのキャラメルの特徴でもあるのかなという気がし始めていて、私もだいぶ慣れてきてついていけるようになってきましたw あとまぁ逆に言えば、展開がタルいのを嫌う人には向いてると思いますね。

・今回もダンスシーンがちょう素敵。流れる音楽が歌詞を聴かせる感じの曲なので、そこでのダンスが歌詞の言葉たちをより印象的に届けてくれて。このダンスシーンは繰り返し見たいなぁ。

・登場人物の多さ(40人とかだっけ?)もさることながら、場面転換と舞台(セット)転換がホント目まぐるしい!ガチなスポーツカーまで出てくるし(笑)。でも決して慌ただしさはないんです。あくまでスムーズに、何度も行われる転換。物語に集中しろよ、って言われそうですが、いやー転換自体、観てて圧巻でした。

・上で紹介した冒頭5分のビデオにも映ってますが、あの11個の扉が点在する舞台セット素敵。「夏への扉」の文字が浮かび上がるオープニングを観た時も、ぉぉおおーー…゜*。(o*´∇`)o。*°ってなったんですが、ラストシーンがまたさらに素敵なのですよ!!扉の向こうには夏の青空が…!(ノД`)・゜・。

・終演後のロビーにおっかーさんを発見!ドキドキしつつもせっかくのチャンスなのでw握手してもらって、唐突に「『音楽の時間』観に行きました!」って言ったら、一瞬驚いた顔されたあとに「あ、ありがとうございます。次はまた、戻ってきますので^^」と返され。なんかもう恥ずかしさのあまり逃げるように立ち去ったのですがwww後になってから、咄嗟の返事で「次(の公演)は(キャラメルに)戻ってくるから(また観に来てくださいね)」って完璧なセリフに、さすがだなーとか思ったり(笑)。


とりあえず、『夏への扉』の感想はここまで。
ただ、キャラメルボックスのことに関連して、少し思うところがあったりしたので、また改めてあと2つほどエントリ上げるかも、です。



2011.03.29 *Tue

僕たちは、いつでもここにいます。

3.11以降の私のこと。私が、感じたこと。

震災の影響で、12・13日に予定されていた中央競馬は中止。翌週、中山競馬は中止、阪神・小倉競馬のみで日程を大幅に変更して、被災地支援競馬として19・20・21日の3日間開催が行われました。
たまたま帰省予定があったので、帰京のついでに少し寄り道して、21日(月・祝)の阪神競馬場に行ってきました。といっても、いつものようにカメラを持つわけでもなく、一人でふらっと、軽く寄っただけでしたが。競馬場に着いたら9Rが発走する頃で、そこから最終Rまで見て、2Rほど馬券も買い、運よく当たったのでその分も合わせて、レース後にジョッキー総出で行われた募金活動にて募金させてもらい、競馬場を後に。

その後、夜行バスの時間までしばらくあったので、ふと思い立って、キャラメルボックスのおっかー(岡田達也)さんが客演されてる舞台、玉造小劇店リリパットアーミーⅡ『音楽の時間』を観るため、弁天町の世界館へ。文明開化まもない明治初期、国歌「君が代」を新たに創り、初等教育に音楽の時間を導入する礎を築く――という、一風変わった?題材。独特の世界観と、大阪的なギャグのノリを楽しみ、舞台まで1mほど(!)という超かぶりつき席でおっかーさんの演技を堪能(笑)。


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震災以降の私は、連日の報道で被害の凄まじさを目の当たりにし、被災地の方の悲しみや辛さを思いつつも、これといって自分に何かができるわけでもなく。一方では、東京でもなお続く余震におびえ、停電やら買い占めやら放射能の問題やらで、街も人々もTwitterのタイムラインさえも、少しずつ、でも確実に「いつもとは違う」様子であることに、何とも言えない不安やストレスを感じていたように思います。私自身は直接的な被害を受けなかったにもかかわらず、少なからず気が滅入りそうになっていた。
そんな状況で、競馬を見に行き、舞台を観劇して。ああ、こんな時だけど、こんな時だからこそ、行ってよかったなぁ、と。何より一番痛切に感じたことは、その場所に行けば、「いつものように」、あるはずのものがある、ということがこれほど嬉しく、有り難く、そして安心させてくれるものなのかということ。

もちろん、なにもかも100%いつも通り、というわけではなかった。
競馬場では、入場行進曲が自粛され心なしか静かな雰囲気の中で、騎手はズボンに喪章をつけて騎乗。そしてレース後の騎手による募金活動には、多くのファンが残って募金の列を作り、人々の温かさやパワーを感じると同時に、当然ではあるのだけれど、通常のジョッキーイベントにある熱気とは根本的に異なるということを肌で感じたりもしました。
劇場では、演じる「向こう」側というよりも、観る「こっち」側の問題として、上演中の約2時間、どこか舞台に集中しきれない自分もいて。カーテンコールで、震災当日の夜、東京・下北沢で数名のお客さんを前に予定通り上演したこと、そして無事に東京公演を中止することなく終えられた、という座長さんのお話を聞いて、このような状況下での公演や各種イベントの開催・延期・中止などの判断の難しさを、また考えてしまったり。

3.11を境に、これまで当たり前だと思っていたものが当たり前ではない世界に、多くの人が放り出された。だから、本当は色んなことが全然いつも通りではないし、また、いつも通りが後ろめたく感じられたり、場合によっては「不謹慎」とさえ言われるような状況。

それでも――
競馬場に行けば、「いつものように」、好きなジョッキーがレースに乗っていて、馬たちは全力で駆け、ああだこうだと言いながら馬券を買う競馬ファンの姿がある。
劇場に行けば、「いつものように」、好きな劇団や俳優さんがお芝居をしていて、私たちを全力で楽しませてくれる。
ただそのことが、どんなにか、人の心を安心させてくれ、温かく包みこんでくれ、支えとなってくれる大切なものだろうか、ということを私は強く思うのです。

 だから、そんな時に身勝手に「いつも通り」であることを辞めた某氏には完全に失望。
 目の前にいる、身近にいるファンのことを笑顔にできない人に、遠くにいる被災者のことを笑顔にすることなんて絶対無理だと私は思う。



キャラメルボックスの俳優・西川浩幸さんが、カーテンコールの際に言ってくださる「僕たちはいつでもここにいます」という言葉の本当の意味が、その尊さが、今ほど痛切に感じられることはありません。(そんなキャラメルを観に行ってきたというお話はまた次回?…たぶん^^;)

震災で、一瞬にして「いつも通り」を奪われた被災地の皆さんが、今なお多くいらっしゃるこんな時だからこそ、「いつも通り」の有難みを噛みしめながら、「いつも通り」を提供するために「いつも以上に」全力を注いでいる方々を、私は大切にしたいと思います。



 

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Author:しの


>競馬。
基本、騎手ありき。誰ヲタかはちょろっとログ漁ればすぐ分かるよ(笑)。あとは御多分にもれずエアグルさん家のみんなとか、いろいろ。競馬写真は フォト蔵 に随時うp中。

>サッカー。
【俊輔】サポが基本ライン。一応、自称【ジュビロ】サポ、のつもり。【遼一】推し。フロンターレの【ケンゴ】に浮気。ていうか最近全く試合見れてないので、あんまり語れません・・・。

>そのほか。
去年あたりから【演劇集団キャラメルボックス】にハマり中。たまに観劇レポなども。


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